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業界のスタンダードになるかも知れない。 先月、魚の鮮度を目で確認できる計測器「バイオサーモメーター」の実証実験が行われた。 「バイオサーモメーター」は、約2cm程のカプセルの中に酵素と色素を注入し、魚と同じ条件下で流通させることで、鮮度情報を得るというもの。 カプセル内の溶液が、黄色ならお刺身用、 薄紫なら加熱調理用、紫なら食用不可という3段階評価で判別し、温度履歴も記録する。 大船渡魚市場を出発した魚に「バイオサーモメーター」をつけ、翌日は、消費地に行かず、なぜか水沢の地方市場に行き、そのまた翌日、横浜の消費市場に到着、その晩に小売販売した店から購入したお客さんが調理して食べた。 15日朝から17日の晩という約60時間の長旅をした魚は、未鮪(メジマグロ)、マツカワガレイ、イナダ(ブリの幼魚)、サバの4魚種。 生鮮鮮魚とは言えない緩慢な流通をあえて行ない、最終的にはどの色が出たのであろうか。 この実証実験の狙いは、東京海洋大学の渡邉名誉教授と濱田助手が開発した、お刺身の消費期限を色で判別する温度管理システム「バイオサーモメーター」を利用して、この鮮度情報に、漁獲地、漁獲方法、漁獲時間などの生産情報、流通履歴を加え、インターネットから一般の消費者が履歴情報を閲覧することができ、トレーサビリティへの応用も期待されている。 私は最初、聞きかじってしまい、酵素法の鮮度判別か、もしくは、魚の旨味成分アミノ酸が熟成から初期腐敗で変化していくものを薬品か何かで目で見えるようにする事かと勘違いしていて、たとえば、カプセルを持った消費者団体が、鮮魚売り場で刺身に薬品を振り撒く姿を想像してしまい、もしかしたら、魔女狩りの様な事が堂々と行なわれるのではないか?などといらぬ事を考えてしまった。 来年には実用化を目指して、扱える魚種を増やし、扱いやすい検査キットの量産をして行く方針らしいが、技術の普及などを考えるとまだかかりそうだ。 私たち魚屋は、魚の鮮度を見分けるスキルを磨いているので、素性が知れない魚を見ても、鮮度を知る事ができるが、やはり一般の消費者には難しいものが多く、鮮度が目で見えるという事は、消費者ニーズを満たすことにつながり、そういう意味でなら必要な技術といえる。 ただし、この技術が本当に正しいものならばだが。 あらゆるケースに対応した物でなければ、不完全のままの技術が消費者にとって正しいとされる懸念があり、新たな偽装を引き起こす可能性も高まる。 鮮魚流通はかなり複雑で、スピードを要求されるため、現場や生産者が対応できるか疑問があり、 魚市場には、獲りたての魚ばかり水揚げされる訳ではないので、この技術はある意味限定的だとも言える。 また、魚によっては痛みやすい時期もあり、温暖化でめまぐるしく変わる海の状況に対応できるかどうか、そして、熟成の必要なマグロに紫色が出たらどうなんだろうか。こう考えると、まだまだかかりそうだ。 おもえば、一部の生鮮ストアが他店との差別化を目的に始まった産地表示が、いまやスタンダードになり、アレルギー物質や遺伝子組み換え表示、産地偽装を経て原産地、果ては海域まで表示するようになって、今度は、鮮度を目で見たいなどとは、一体誰が望んでいるのだろうか。 次は何だろう? なお、これ以上の情報は持ち合わせていないので、問い合わせには応じられません。 |
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