イバラヒゲはオモチロイ魚だった

真っ黒い体に膨れた腹、口からはひっくり返った胃袋がのぞき、目だけがギラギラと光っているこの魚は、水深300m~2200mの深海に住むソコダラの仲間のイバラヒゲ

 

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普通の人ならば、こういう魚が目の前に山盛りで現れたら、ギョッとしてちょっと引いちゃうかもしれない。魚屋ならば、たま~に見ることがあるから、絶対引かない。けれど、これを食べよと言われたら、大体の魚屋さんも引いちゃうだろうな~。だからなのか、うちの市場ではこういうがたまに揚がると値段が出ない。ヘタをすると市場から半ば強制的に買わされるとでも思ってるのか、誰も知らんぷりして近寄らない。なので、結局、荷主お持ち帰りになるか、魚粉屋に持っていってもらうことになる。でもさ、やっぱり獲っちゃったんだからさ、食べようよ。だって、もったいないじゃない。

 

見た目だけで判断するのはよくないんだゾ。多分、このように、山盛りで、グジャグジャしてるからいけないのだ。そう思って、この中から飛び切り美形・・・つまりだ。イケメンのイバラヒゲを選び、あらためて紹介することにする。

 

◇頭の上から

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◇正面から

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◇その横顔

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こうやって見ると、なかなかどうして、けっこうイケメンな魚である。特に、放射状に刻まれたウロコなんか、とても個性的でGood!

 

◇エラ蓋のウロコ

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◇胴体のウロコIMG_2685

 

◇先端だけギザギザ

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名前がイバラヒゲということであるから、イバラ状の髭でもあるのかと思ったのだけれど、アゴの下に生えていた髭はそんなたいそうな物ではなかった。

 

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やわらかい髭がチョロである。

 

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どちらかといえば、尾の方が髭に似ている。

 

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これが、イバラヒゲなのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まだ終わらない。

 

 

 

 

 

 

我が家のまな板に、深海魚がのっているの図。

 

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ちょっと変な匂い。魚というよりもなにか薬品のような匂いがするが、食べてみよう。

 

この魚は、およそ60cm。まな板からはみ出てしまうほどのサイズだ。下ろし始めて先ず驚いたのが、心臓の小ささ。これで事足りているということは、それなりに厳しい環境ってことなんだろう。

 

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そしてこれが、鰾(ひょう)。

 

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浮き袋だね。

指でつまむと、中の気泡がブツブツと潰れ、まるで濡らしたマシュマロのように溶けていく。

 

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髭のような尾びれ。お肉の少ない部分はちょん切って捨てる事にした。そして三枚に下ろす。

 

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この魚の骨は三角なので、マダラや秋サケのように下ろしたほうがいい。上の身をとったら、次に骨を下の身から切り取るんだよ。こんな風に・・・・

 

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ほらね、三角でしょ。

 

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そして最後に、背側にある残った骨を切るんだ。

 

 

身は白身。

 

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薬品のような匂いのする皮をはぐと、とても上質の白身魚のフィレになった。匂いもなくなった。でも、水分多目で、繊維質で、なんだか変わってる身。

 

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オモチロイ

 

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これを、バター焼きで食べる事にした。

 

しかしだ。

 

十分に気をつけて焼いたのだが、皮をはいだために、身がぼろぼろ崩れてしまった。多分、小麦粉をかけて焼けば何とかカタチになるかもしれない。

 

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これを一口食べる。

 

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モグモグしても嫌な味が湧いてこない。そしてチューインガムみたいに、いつまでたっても口から無くならないオモチロイ食感。きっと、世のめずらし物好きセレブが気に入ることだろう。というわけで、イバラヒゲは、うまくてオモチロイ魚だった。

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